■正しいブラッシングの習慣を!
歯科における二大疾患は、むし歯と歯周病(歯槽膿漏)です。この両者の原因の多くは、口の中に存在するプラーク(細菌の郡)であるといわれています。このプラークをとるために一番有効と考えられているのがブラッシング(歯磨き)です。むし歯の予防、歯槽膿漏の治療と予防のためには、ブラッシングをマスターすることが必要です。
■歯ブラシについて
歯ブラシは、普通のもので歯肉を傷つけないためヘッド部分は小さめのもので、柄(ハンドル)が細めでやや長め。奥まで届きやすいから。
硬さは普通の硬さ、毛のカットは平切型が良いと思います。ブラシ幅は、前歯2〜3本分くらい、2センチくらいがいいでしょう。
柄(ハンドル)は、扁平で、まっすぐなものを選びましょう。柄の形にもいろいろありますが、オールマイティというものはなく、かえってそのカーブのために使いにくい場合もあり、結果的にストレートのシンプルなものがいいのです。
歯ブラシの握り方は基本的に2種類あって鉛筆のように持つペングリップ方法と、グーのように握って持つパームグリップ方法があります。
鉛筆のように持つペングリップ方法ですと、適度な力でブラッシングできますのでおすすめです。
強い力で磨く癖のある人が硬めのブラシを使うと歯が磨り減ってしまいます。
軟らかい歯ブラシを使い続けると歯垢が残りやすくなります。
別に何も問題なければ普通の硬さで平切型がおすすめです。
手の歯ブラシでちゃんと磨けない人は電動ブラシを使っても同じく磨けません。
自分の歯並びや問題点をきちんと把握してブラッシングすることが、何を使うにしてももっとも大切なことです。歯ブラシを買うご参考になればと思います。
■正しいブラッシング(歯磨き)の方法
ブラッシング(歯磨き)の方法には、毛先を使う方法と毛の脇腹を使う方法があります。それぞれに長所、短所がありますし、歯並びや歯肉の状態によっても適切な方法は異なります。
歯の外側は、歯ブラシを直角にあてて、小刻みに数ミリずつ振動させながら1〜2本ずつ磨きます。内側は、45度にして磨きます。磨き残しになりやすいのは、歯の内側と歯ぐきの間です。できれば鏡を見ながら、どこに歯ブラシがあたっているか確認してみましょう。
また、誤った使い方をすると歯がすりへったり、歯肉を傷つけたりします。必ず歯科医師または歯科衛生士の指示にしたがってください。
■バス法
■スクラッピング法
■歯ブラシだけでは取れない汚れ
研究によると、歯ブラシだけでは歯についた汚れの60%位しかとれないといわれています。とれない汚れはほとんど歯と歯の間の汚れですが、この汚れをとるのにデンタルフロスや歯間ブラシのような補助清掃用具が非常に有効です。
■デンタルフロス
歯と歯の間に入れ、のこぎりをひく要領で歯の表面をこすってプラークをとります。
■歯間ブラシ
歯と歯の間に入れ、前後に動かして使います。この時歯肉の形にそって動かすことがポイントです。力まかせに使うとかえって歯肉を傷つけますので、力を入れすぎないよう注意してください。また、使いはじめは歯肉から出血することがありますが、おそれずに丁寧に使ってください。正しい使い方をしていれば、1週間位で出血が少なくなってきます。
■歯石は6ヶ月に一度取りましょう
かたくなった歯石は自分では取り除くことが出来ません。歯科医院で歯石をきれいに取り除いても再度つくことがあります。そうならないためにも、歯ブラシの当て方に注意すると共に、
6ヶ月に一度は定期検診をうけるようにしてください。
1.糖分(砂糖)をとり過ぎない
大人だけでなく、子供にも歯周病が多く見られます。子供は、特に砂糖が多く含まれているお菓子や清涼飲料水などをとり過ぎる傾向があります。これは、むし歯にもよくありません。
2.柔らかいものばかり食べない
柔らかい食べ物はカスが歯につき、プラークが形成されやすくなります。歯ごたえのあるものや、食物繊維の多く含まれたものをしっかりかんで食べましょう。
3.両側の歯でかむ
片側の歯ばかりでかんでいると、かんでいる側の歯の汚れが自然に落ちますが、あまりかまない側の歯には、プラークがたまりやすくなります。意識して両側の歯でかみましょう。
4.たばこは吸わない
たばこを吸う人は、吸わない人に比べて、歯周病にかかりやすくなっています。これは、ニコチンなどの作用によって、血液の流れが悪くなり、細菌と戦う働きが弱くなるからです。
5.爪楊枝の使い方に注意する
爪楊枝は、歯と歯の間につまった食べ物のカスをとるのに効果的ですが、歯ぐきを傷つけたり、かえってカスを押し込んでしまうこともありますので注意しましょう。爪楊枝以外にも、歯間ブラシやデンタルフロスなど効果的に使いましょう。
6.口で呼吸をしない
口で呼吸すると、口のなかが乾燥しやすくなります。すると細菌に感染し、炎症を起こしやすくなります。耳鼻咽喉の病気のある人は、治療の必要がありますが、口呼吸のくせのある人は、そのくせを直すように心がけましょう。
7.ストレスをためない
ストレスは、歯ぎしりのもとになり、歯ぎしりは歯周病を悪化させます。また反対に、歯周病が歯ぎしりのもとにもなります。自分では気がつかない歯ぎしりにも、家族は注意を払いましょう。
■歯ぎしりについて
歯ぎしりは、夜寝ている間に歯をこすり合わせて音を発生するものです。力の強い歯ぎしりは、歯の磨耗を早めます。歯周病の原因となることもあります。
歯ぎしりの原因はストレスによるものが最も多いといわれています。歯ぎしりによってストレスを発散させている場合があるようです。噛み合わせの異常やあごのズレ、被っている金属の冠の不適合が原因になっている場合もあります。
治療はナイトガードというマウスピースのような取り外しのできる装置があります。ただ、ストレスが原因になっている場合は睡眠中の無意識のうちに歯ぎしりが行われるわけですので、意識して治すことはできません。そこが根本的に歯ぎしりにの治療がむずかしいといわれるゆえんです。