■矯正治療は、単に美容的・審美的な歯並びの美しさを目標にしている治療ではありません。咬み合わせを良くし、健康な歯と歯肉を生涯にわたって維持していくことが大きな目的です。
それでは矯正治療の良いところを挙げてみましょう。
- キレイな歯並びは虫歯と歯周病の予防に有効
重なっている歯などがあり、歯並びが悪いと歯と歯の間に汚れがたまりやすくむし歯になったり、また歯や歯を支える骨が溶けてしまい、歯を早く失う原因となります。矯正治療で歯並びを整えることで、むし歯を予防し、歯の健康を手に入れることができます。 - 咀嚼(そしゃく)機能の向上(食べ物を噛みやすく)、消化吸収の効率化
食べ物が良くかめるようになりますので胃腸に負担がかからず、健康増進に役立つ面もあります。 - 発音の明瞭化
咬み合わせが悪いと発音が不明瞭になりがちです。よい歯並びは正しい、はっきりとした発音にも結びつきます。 - 審美性の改善、顔をつくる歯並び
歯並びが悪いと、それがコンプレックスになってしまう場合があります。欧米では歯並びが悪いことが社会的な評価につながることから、矯正治療を受ける人が大変多いことは皆様もご存知だと思います。 - 全身の健康にも良い影響を与える
悪い歯並びには、肩こりや頭痛の原因になったり、顎の関節や筋肉に悪い影響を与え、肩こりや頭痛の原因の一つになると言われています。良い歯並びは、これら全身の健康に関しても、悪い原因を作らず、良い影響を与えます。
■どんな人に矯正が必要か
■乱ぐい歯、八重歯
あごが小さくて、歯が生える場所が足らなくなり、押し合い、へし合いして歯並びがデコボコになるのが乱ぐい。さらに症状がひどくなると、あとから出てくる歯が歯列から外にはみ出し、重なり合って生えるのが八重歯といいます。
■受け口
前歯はふつう上が外側に出、下は内側になってかみ合う。これと反対になっているのが受け口で、反対咬合といいます。
■出っ歯
専門用語では「上顎前突(じようがくぜんとつ)」といいます。上の前歯が強く前に傾斜している場合と、上あごそのものが前に出すぎている場合とがある。
■開咬
口を閉じても、前歯や側方の歯が上下でかみ合わないタイプで、物が噛み切れない人いる。重症では、奥の第二大臼歯しかかみ合わないこともある。
■なぜ矯正治療は長い期間かかるのでしょうか?
つぎのようなことが考えられます。
●永久歯が生えて、かみ合わせがしっかりしないと終わらない。
●骨のコントロールは、骨の成長している時しかできず、さらに時間もかかる。
●歯が移動するのは、細胞の活性により骨の中を歯が動いて行くためであり〔歯が動いてゆく方の骨が溶け、動いた後に骨ができる反応)、急ぎすぎるとダメージが大きくなる。
■通院は?
装置により違いますが、通常3〜4週間に一度くらいの通院になります。それくらいたたないと、歯が動いてゆく反応は分かりません。
治療計画により、第一段階が終わりますと、次の段階がくるまで、3〜6ヶ月に一度の通院になります。
☆治療内容などにより違いがございます。
■矯正治療中、痛みはどうですか?
できるだけ自然に、歯やあごを動かすようにしています。
歯や歯肉の痛みも最小限に抑えるようにしています。一般的に矯正治療で一番痛みを感ずる時期は装置装着直後です。その時点で痛みの強い方に対しては以下の方法で対応します。
●矯正力の加えかたを弱める
●鎮痛剤をだす
●矯正装置が粘膜にあたり口内炎ができる場合には、
装置に保護材をつけて痛みをやわらげる。
■治療期間中の歯のクリーニング
矯正治療中の歯、歯肉への汚れのコントロールは成人の方には特に重要です。
歯につくよごれの殆どがバクテリアです。これにより歯槽膿漏が進行することがあります。
日常の歯みがきでとれないよごれに関しては、来院時に毎回プロフェッショナルなクリーニング処置を行います。
■費用は?
矯正治療には健康保険は適用されておりません。全額をご負担して頂かなければなりません。例外的に健康保険が適用されるのは、顎変型症と診断されたケースと、唇顎口蓋裂という生まれつき上の唇、顎の骨が癒合不全である場合になります。
●症状による費用
歯並びや口腔内状態は人それぞれです。それによって治療法、期間もかわってきます。検査が終わり、治療計画が出来上がりますと、費用も決まります。
●医療費の控除
矯正治療でかかった費用は、基本的に医療費の控除が受けることができます。成人の方は、医師から診断書を作成してもらい、確定申告書とともに提出してください。
診断のときに現在の歯並びの状態〔問題点〕、治療のやり方〔装置〕、治療の時期や期間、費用とその支払い方法などについてご説明いたします。
矯正治療は患者様と長いお付き合いになります。納得いくまでぜひお気軽にご相談ください。
STEP 1 : 初診・カウンセリング
問診とお口の中の診査を行い、矯正の診断と治療期間、費用、注意事項等のご説明します。
気になっているところやご希望などをお聞きします。
STEP 2 : 検査
歯周ポケットの測定、カリエス〔むし歯〕リスク検査。
顔、顎、歯のレントゲン写真を撮ったり、歯型の採取をします。その他色々な資料採りをしそれによりできるだけ多くの情報を得て歯並び、顔面形態、顎の関節などの細かい分析もおこないます。
STEP 3 : プレゼンテーション
精密検査の結果から治療方針や使用する装置、治療費や治療期間がどれくらいかかるのか、生活上どんな配慮が必要かより詳しくご説明します。
STEP 4 : 装置前準備
矯正治療中の正しい歯のみがき方を、丁寧にご指導します。また、虫歯、歯槽膿漏がある方は、この段階で治療します。
STEP 5 : 装置作成
歯にブラケットという金属やセラミックなどでできた装置をつけます。奥歯にはバンドという装置をつけ、ワイヤーを各歯のブラケットに通し、ゴムやバネで引っ張りながら歯を少しずつ移動させていきます。
STEP 6 : 治療
治療完了まで月に1〜2回、定期的に通院していただきます。 装置の調節は、だいたい1か月に1度行います。ワイヤー、ゴム、バネの交換、歯磨きのチェックや指導、写真撮影等を行います。
STEP 7 : 保定
きれいに整った歯並びを安定させる期間。歯を動かした期間と同じ期間保定装置をつけています。3〜6ヶ月1回、1〜2年間通院します。