■悪いとこはないと思っていても、いったんトラブルが起きると生活に支障をきたすこともある私たちの身体。歯は、その最もたるものではないでしょうか。
歯科医療は、近年その重要性が指摘されている「予防医療」がもっとも進んでいる分野。
■栄生歯科では、歯みがきの状態・口の中の状態により、セルフケア(毎日の歯磨きなど)とプロフェショナルケア (当院で行う予防)を同時に行い、患者様といっしょに予防に取り組んでいます。
■今までの歯科治療は、歯や歯ぐきが悪くなってから治療を行ってきました。しかし、悪くなるたびに治療していたのでは、ほんとうの治癒は期待できません。
■虫歯も歯周病も細菌が感染して起こる病気です。
そのメカニズムもほぼわかっているため、虫歯も歯周病も現在では予防できる病気になってきています。
歯周病は「歯の病気」だから、歯周病にかかってもせいぜい歯がなくなるくらいのことで、全身の健康とは別のものだと考えていませんか?答えはNOです。最近の歯周病に関する研究において、歯周病は心臓や肺の病気、糖尿病、また流産や早産といったさまざまなことに関連し、私たちの健康に深くかかわっていることがわかってきました。
下の図が示すようにお口の健康は、全身の健康と互いに深く関係をもっており、予防医学の第一歩ということが出来るでしょう。まさにお口は「体の入り口」、「健康の入り口」なのです。
近頃、歯のクリーニング、PMTCが注目されています。歯がツルツル、スッキリして気持ちが良いうえ見た目もきれいになるのです。でも、もっとだいじな効果があります。それは歯周病の予防にたいへん有効だということ。
PMTCってなに?
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の略語です。つまり、歯科医師、歯科衛生士などの専門家が、専用の器具、機械を使って歯のクリーニングをすることをいいます。当院では、歯科衛生士が担当させていただいています。
歯ブラシが届きにくいところに、バイオフィルムの切れ端が残ってしまうことが多いんです。それをきれいに取り除けるのが[PMTC]歯のクリーニングです。所要時間は30分〜1時間程度。痛みは全くありません。「途中で居眠りをしてしまう患者さんもいらっしゃいます。痛みや出血がないのが、ほかのケアと一番違うところではないでしょうか」当院歯科衛生士。
PMTCは頑固な汚れ、「細菌バイオフィルム」を歯科衛生士が機械的に除去
歯周病や虫歯を引き起こす元凶、プラーク。プラークが成熟して「細菌バイオフィルム」という、さらにベタベタして強力に歯に引っ付いてしまう細菌の巣にかわってしまうのです。
「細菌バイオフィルム」は膜のように歯に張り付き、ベッタリとしてたいへんはがれにくいものです。粘着性があるので、雑なブラッシングでは歯がたたない、何ともやっかいな存在です。バイオフィルムを取り除くには毎日の丁寧かつ適切なブラッシング。しかし、ブラッシングでは、とり除きにくいのです。しかも、抗菌剤(うがい薬)などを使っても効果があがりません。PMTCなら 「細菌バイオフィルム」を機械的に除去することができます。
PMTCは歯のエステとはちがいます。来院されたら問診とお口の診査をします。「メインテナンスイコールPMTC」といのではなく、それを行う前に、「もっと重大で治療すべきトラブルがお口の中に隠れてないか」を確認することが大切です。
お口のケアはなんといってもセルフケアが基本ですから、患者さんのなさっているセルフケアの成果に合わせて考え組み立てていきます。そこが歯のエステとは根本的に違います・・・・
半年に一度はPMTCを受けられることをおすすめします。
1.歯質の強化
研磨用のフッ化物入りペーストにより再石灰化(カルシウム等)を促進します。
2.むし歯の予防
細菌性バイオフィルムを破壊し、プラークを除去し、再付着を防ぎ、むし歯を予防します。またエナメル質表面へのカルシウム補給を助けます。
3. 歯周病、歯肉炎の改善・予防
歯面から歯肉縁上ならびに歯肉縁下1〜3mmのプラークを除去することにより、歯肉の症状を改善します。また歯肉が引き締まってきますので、歯周病、歯肉炎の予防にもつながります。
4.審美性の向上
タバコのヤニや茶渋などの沈着した色素を取り除き、光沢のある本来の歯面に回復します。また汚れを着きにくくします。
1.ブラッシング状態、歯、歯肉のチェック
ブラッシングができていないところや磨きにくいところをはっきりさせます。必要に応じて、ブラッシングの指導なども行います。またPMTC前に歯や歯肉にどのような問題があるかチェックし、歯石があれば取り除きます。
2.研磨ペーストの注入
歯の表面、歯と歯の間、歯のつけねの部分にクリーニングペーストを塗ります。
3. 清掃・研磨
○ブラシで裏表の汚れを落とします。
○三角形チップで歯間部を磨きます。
○やわらかいシリコンラバーのカップで歯の表裏、歯ぐきの間を研磨します。
○山形ブラシで汚れを落としにくい咬合面の溝をきれいにします。細かい部分まで全てきれいにします。
4.洗浄
消毒薬を含んだ洗浄液でお口の中をきれいにして、歯肉ポケット内や歯を洗浄します。
5.フッ化物の塗布
むし歯の予防になるフッ化物を塗り、より浸透させるため数分間うがいを避けます。